診断コンテンツ徹底解説:作り方、事例、費用、企画、ロジックを紹介

WEB制作

最近、WebサイトやSNSで診断コンテンツを目にする機会が増えてきたと感じる方も多いのではないでしょうか。診断コンテンツ自体は以前から存在していましたが、その効果や活用方法が改めて注目されています。

本記事では、診断コンテンツの基本から制作方法、導入のポイントまで詳しく解説します。これから診断コンテンツの導入を検討されているWeb担当者や制作に興味がある方の参考になれば幸いです。

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目次
1:診断コンテンツとは
2:診断コンテンツの効果とメリット
3:診断コンテンツの形式と参考例
4:診断ロジックについて
5:診断コンテンツの制作手順
6:診断コンテンツ制作のポイントと注意点
7:診断コンテンツ制作費用の相場
8:診断コンテンツが適した業界や商品、サービス
9:診断コンテンツの制作事例
10: まとめ
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1,診断コンテンツとは

最近、Webサイトやホームページで診断コンテンツを見かけることが増えてきました。アクセスした際に、「つい試してみようかな」と思った経験がある方も少なくないのではないでしょうか。診断コンテンツは、BtoCサイトだけでなく、BtoBサイトでも広がりを見せ、注目を集めるコンテンツの一つとなっています。

診断コンテンツの特徴は、ユーザーが質問に答えることで、自分の深層心理を探るような心理テスト形式や、新たな発見を楽しめる設計にあります。特に、質問内容やデザインに工夫を凝らし、ユーザーが飽きずに進められる構成が人気の理由です。さらに、最近では診断結果をもとにおすすめ商品を提示する形式が増えており、企業の商品やサービスを自然にプロモーションする効果的な手法として活用されています。診断コンテンツをアプリ化する例も増え、ユーザーとの接点をさらに深める可能性が広がっています。

当社では、診断コンテンツの制作方法やロジック設計、費用に関するご相談を多くいただいており、これまでに数多くの診断コンテンツを手掛けてきました。その中で蓄積したノウハウを活かし、具体的な事例も交えながら、診断コンテンツが持つ魅力や制作のポイントをご紹介します。

2,診断コンテンツの効果とメリット

診断コンテンツは、ユーザーとのインタラクティブなコミュニケーションを生み出し、商品やサービスを効果的に訴求するための強力なツールです。以下では、診断コンテンツがもたらす具体的なメリットや効果をご紹介します。

✓ 適切な商材提案
商材が多数ある場合、ユーザーが迷うことなく自分に合った商品やサービスを選べるようサポートします。診断結果をもとに、より適した商材を提案できる点が大きな魅力です。

✓ ユーザーの興味を引き立てる
診断結果が「自分専用」にカスタマイズされるため、ユーザーの興味や関心を引きやすくなります。この特別感が、ブランドへの好意や信頼感を高めます。

✓ ゲーム性による楽しさ
診断コンテンツはゲーム感覚で楽しめるため、ユーザーに商材を手軽に理解してもらえる効果があります。エンターテイメント性が高いことで、自然に商品やサービスの魅力を伝えられます。

✓ リピート診断の可能性
診断そのものが楽しい場合、ユーザーが何度も診断を繰り返すことで、複数の商品やサービスを提案するチャンスが増えます。

✓ SNSシェアによる拡散効果
診断結果はSNSでシェアされることが多く、診断コンテンツ自体の話題性が広がる効果が期待できます。さらに、自社SNSで診断コンテンツを紹介することで、より多くのユーザーにリーチすることが可能です。

✓ サイト回遊率の向上
診断結果から商品詳細ページや関連コンテンツに誘導することで、サイト内の回遊率を向上させることができます。ユーザーがより深く商品情報を知るきっかけを作れる点もメリットです。

3,診断コンテンツの形式と参考例

診断コンテンツにはいくつかの形式があり、目的やターゲットによって最適なスタイルを選ぶことができます。ここでは、主に見られる3種類の形式と参考例をご紹介します。

  • 1画面1質問形式
    この形式では、1画面に1つの質問が表示され、ユーザーはテンポよく質問に回答して進めることができます。シンプルで直感的な操作感に加え、デザイン性が高いものが多く、診断コンテンツに特化した専用サイトやアプリでよく採用されています。ユーザーは1つの質問に集中できるため、楽しみながらスムーズに診断を進められるのが特徴です。

参考サイト例:

ディメーター 香水診断

株式会社生活の木 ギルティごはん診断

SALONIA サロニア セレクト ヘアアイロン

MEDULLA(メデュラ)10 QUESTIONS

d プログラム 肌タイプCHECK

  • 質問シート形式(チェックリスト形式)
    健康診断や性格診断などで目にする形式で、複数の質問が一覧表示されるスタイルです。
    ゲーム性が強い1画面1質問形式とは異なり、全体を落ち着いて確認しながら回答するイメージです。質問数が多く、テンポよりも正確な回答を求める場合に適しており、詳細な結果を提供したい場合に利用されます。また、ユーザーが回答を面倒に感じる可能性が低い点もメリットです。

参考サイト例:

森永乳業 宅配ミルク おすすめ商品診断

  • STEP形式
    質問に回答すると次の質問が表示される形式で、ステップを踏むように進めていくスタイルです。この形式は、ユーザーが少しずつ進んでいく感覚を楽しめるのが特徴です。画面の下に新しい質問が追加される仕組みで、ユーザーは回答と同時に結果に近づいていく感覚になります。

参考サイト例:

水まわりDo! 費用シュミレーション

4,診断ロジックについて

診断ロジックとは、診断コンテンツが特定の情報や条件を基に分析を行い、診断結果を導き出すための手順やアルゴリズムのことを指します。診断コンテンツの成功は、このロジックの設計に大きく依存します。ここでは、代表的な5つの診断ロジックの形式とその特徴、作成のポイントを解説します。

診断ロジックのパターン

診断ロジックとしては、以下のような形式が挙げられます。

  • フローチャート
    ユーザーの回答に応じて次の質問内容が変化する形式です。各回答パターンに対応した質問を設定し、最終的に多様な診断結果を提供します。

    例:5問、各質問で3つの選択肢がある場合、すべての回答に応じたパターンを作成すると最大243パターンの診断結果が必要になります。

    メリット:診断の正確性が高く、ユーザー満足度が向上。
    デメリット:質問数と結果パターンの設計が複雑で手間がかかる。
  • 得点形式
    全ての質問内容を固定し、回答ごとに得点を付与して診断結果を導きます。性格診断や簡易的な診断でよく使用される形式です。

    例:全5問、質問の一部を共通にした場合、90パターンの診断結果に抑えられます。

    メリット:設計が比較的簡単で、迅速に開発可能。
    デメリット:繰り返し診断したいユーザーにとって新鮮味が薄れる。診断の精度が限定的になる場合がある。
  • 16タイプ形式
    「16Personalities性格診断テスト」のように、性格や特性を16種類に分類する形式です。主に自己分析やパーソナリティ診断に用いられます。

    メリット:ユーザーが自己理解を深められる。
    デメリット:診断ロジックの設計には専門的な知識が必要になる場合がある。

  • ゲーム式
    ミニゲームの結果に基づいて診断を行う形式で、エンターテイメント性が高いのが特徴です。診断結果がSNSでシェアされやすいのも大きな利点です。

    メリット:ユーザーに楽しみながら診断を進めてもらえる。SNSでの拡散効果が期待できる。
    デメリット:診断精度よりもエンターテイメント性を重視するため、場合によっては信頼性に欠けることがある。

  •  抽選式
    ランダムで診断結果を出す形式。おみくじや簡易的な運勢診断でよく使用されます。

    メリット:簡単に制作でき、ユーザーにゲーム感覚で楽しんでもらえる。
    デメリット:診断の正確性が低く、サービスや商品を提案する場合には適していない。

    診断コンテンツの内容に合わせてロジックのカスタマイズが必要!
    フローチャート型はパターン数が多くてロジック決めが大変ですが、選択肢や質問数を工夫してパターン数を減らすことも可能です。

  • フローチャート型 選択肢多め
    全4問、回答によって異なる質問にしますが、質問2の選択肢を多くして、質問4では選択肢を少なくします。
    それによって、72パターンの診断結果となり、少し少なくすることができました。
    質問数を減らすことで、ユーザーの選択負荷を軽減することができます。

5:診断コンテンツの制作手順

診断コンテンツを制作する際は、以下の手順を踏むことで効果的でユーザーに魅力的なコンテンツを作り上げることができます。それぞれのステップを詳しく解説します。

1, 目的とターゲットを決める
診断コンテンツを制作する際には、最初に「目的」と「ターゲット」を明確にすることが重要です。診断コンテンツを通じて何を達成したいのかを具体的に定め、たとえばリードの獲得やブランド認知度の向上など、目標を明確にします。また、ターゲットとなるユーザー層を年齢や性別、興味やニーズに基づいて絞り込み、誰に向けた診断コンテンツであるのかを具体化します。

2, 形式とロジックを決める
次に、診断コンテンツの形式とロジックを決定します。フローチャート型や得点形式など、診断の形式はさまざまです。目的やターゲットに合った形式を選ぶことが、効果的な診断コンテンツを作る鍵となります。また、どのように診断結果を導き出すかというロジック設計も、ユーザー体験に大きく影響する重要な要素です。

3, ロジック作成(質問と結果を作成)
ロジックに基づき、ユーザーに提示する質問内容と診断結果を作成します。質問は明確かつ簡潔であることを意識し、ユーザーが気軽に回答できるようにします。また、診断結果はユーザーにとって有益で価値のある情報となるよう工夫します。適切な質問設計が、診断コンテンツの満足度を高めるポイントです。

4, デザインを決める
診断コンテンツのデザインは、診断のテーマやブランドのイメージに合わせて決定します。視覚的に魅力があり、かつ使いやすいデザインを意識することが大切です。また、モバイルユーザーにも対応するデザイン設計を心がけることで、多くのユーザーにとって利用しやすいコンテンツとなります。

5, 診断コンテンツを作成する
これまでの計画をもとに、診断コンテンツを実際に作成します。プログラミングやコンテンツ管理システム(CMS)を活用し、ロジックとデザインを組み合わせて完成させます。作成後にはテストを行い、動作確認や結果の正確性をチェックします。

6, 公開する
完成した診断コンテンツは、ウェブサイトやSNSなど、ターゲットがアクセスしやすいプラットフォームで公開します。公開の際には、目立つ位置に配置することで、より多くのユーザーにアクセスしてもらうことが可能です。

7, 広める(SEO、SNS、広告)
公開後は、診断コンテンツを広めるために、SEO対策やソーシャルメディア、オンライン広告を活用してプロモーションを行います。診断コンテンツが話題となるようなキャンペーンを展開するのも効果的です。

8, 運用する(解析、改善)
診断コンテンツを公開した後は、ユーザーの反応やパフォーマンスを解析します。その結果をもとに質問やロジック、デザインの改善を行い、コンテンツの精度や効果を高めます。継続的な運用と改善により、診断コンテンツの成果を最大化できます。

6:診断コンテンツ制作のポイントと注意点

診断コンテンツを制作する際には、ユーザーにとって魅力的で信頼性があり、使いやすいコンテンツを作ることが重要です。そのためには以下のポイントと注意点を意識しましょう。

  • 信頼性の確保
    診断コンテンツの価値は、その信頼性に大きく依存します。ユーザーが結果を信頼できるようにするためには、専門知識や統計データを活用することが欠かせません。例えば、医療関連の診断コンテンツであれば、最新の医学研究や公的機関のデータを基に質問や結果を設計することで、信頼性を向上させることができます。

  • 拡散されやすい仕組みを作る
    診断コンテンツの効果を最大化するには、ユーザーがSNSなどで共有したくなる仕組みを作ることが重要です。シェアボタンを設置しやすい位置に配置したり、診断結果を視覚的に魅力的でユニークな形式で提供したりすることで、拡散性が向上します。また、面白い要素や意外性のある結果を含めると、自然と話題になりやすくなります。

  • シンプルさを意識する
    診断コンテンツのデザインやロジックが凝り過ぎて複雑になりすぎると、ユーザーが途中で離脱する原因となります。直感的で使いやすいインターフェースを心がけることが、完了率を高める鍵です。特にモバイルユーザーを意識したシンプルな設計が効果的です。

  • 設問数を適切に保つ
    ユーザーの関心を最後まで維持するためには、設問数を適切に抑えることが重要です。一般的には5~10問程度が適切な範囲とされており、それ以上になるとユーザーが疲れたり、途中で離脱してしまう可能性があります。短時間で楽しめる診断体験を提供することがポイントです。

  • 運用を見据える
    診断コンテンツの完成はゴールではなく、むしろスタート地点です。公開後には、ユーザーのフィードバックや解析データを基に、継続的に改善を行う必要があります。診断の精度を高めたり、新しい質問を追加したりすることで、ユーザー体験を向上させ、リピーターを増やすことが可能です。定期的な更新を行うことで、診断コンテンツが飽きられることなく長期的に効果を発揮します。

7:診断コンテンツ制作費用の相場

診断コンテンツの制作費用は、ロジックの複雑さやデザインのクオリティ、そして実装方法などによって変動しますが、一般的には50~100万円程度の予算が必要とされています。この範囲内で、どのような機能やデザインを含めるのかによって、具体的な見積もりが決まります。

診断コンテンツを制作する際は、まず自社の予算を明確にしておくことが重要です。その上で、どのような形式や機能を持たせるのか、どの程度のデザイン性を求めるのかといった要件を制作会社と相談することで、最適なプランを見つけることができます。

また、必要に応じて、診断後の運用や改善にかかるコストも考慮し、長期的な視点で計画を立てることが成功への鍵となります。

8:診断コンテンツが適した業界や商品、サービス

1, 健康・ウェルネス業界

健康状態やライフスタイルに基づいて最適な製品やサービスを提案する診断コンテンツは、健康食品やサプリメント、フィットネスプログラムの選定に役立ちます。ユーザーにとって、個々の状況に合った提案が得られることで、信頼感と購入意欲を高めることができます。

2, 美容・スキンケア業界

美容やスキンケアの分野では、肌質や悩みに応じた最適な商品を提案する診断コンテンツが非常に効果的です。たとえば、肌タイプ診断やヘアケア診断などが典型例で、ユーザーにパーソナライズされた提案を行うことで、購入のハードルを下げることができます。

3, 教育業界

教育分野では、個々の学習スタイルやニーズに基づいて、最適な教材や学習プログラムを提案する診断コンテンツが活用されています。ユーザーが自身に合った学び方を見つけられるため、教育機関やオンラインプラットフォームでの利用が広がっています。

4, 金融業界

金融業界では、診断コンテンツを通じて、ユーザーに最適なローン、保険、投資プランを提案することが可能です。個々の状況や目的に応じた選択肢を示すことで、信頼感を与え、サービスの利用を促進します。

5, エンターテインメント業界

エンターテインメント分野では、映画、音楽、ゲームなどの好みに基づいておすすめを提示する診断コンテンツが人気です。ユーザーが楽しみながら選べる仕組みが、エンゲージメントの向上につながります。

9:診断コンテンツの制作事例

最後に当社の診断コンテンツ制作事例をご紹介いたします。

  • ブランドサイト内 診断ツール
    「株式会社エッチイーシグループ 香水診断」は、フレグランスブランド「ディメーター」の香水診断ツールとして企画・構築したものです。100種類の香水から、気分やイメージに合った香りを20グループに分類し、フローチャート形式で提案します。
    トレンド感を意識した曲線デザインや、多彩な香水を表現する画面ごとの配色、スムーズな動きにこだわり、ユーザーが「自分に合った1本」を見つけられるよう設計しました。この診断ツールは、商品提案を通じてブランドの魅力を効果的に伝える仕組みを実現しています。

    ディメーター 香水診断
  • アプリ内診断コンテンツ
    「自然」「健康」「楽しさ」を提案するライフスタイルカンパニー、生活の木様向けに診断コンテンツを制作いたしました。このコンテンツでは、日常の「ついつい」に答えていくと、ユーザーのストレス度を「ギルティご飯」として診断し、最適なアロマを提案します。
    「質問に答えていく過程もわくわくできる、おもしろみのあるサイトにしたい」というご要望に応え、ポップなデザインやアニメーションを提案。さらに、診断コンテンツ専用のオリジナルキャラクターイラストも制作し、診断の世界観を一層引き立てる仕上がりとなりました。

    ギルティごはん診断
    また、以下では本案件の実際の制作秘話をご紹介しております。診断コンテンツがどのように制作されているのかを詳しくご紹介しておりますのでぜひご覧ください!

    ギルティごはん診断のサイト制作秘話
  • ECサイト 内診断コンテンツ
    1, オーダーメイド香水が購入できる「THE NOTE BAR」様のECサイトを構築し、その中に診断コンテンツを導入しました。この診断コンテンツでは、いくつかの選択肢に答えるだけで、ユーザーの好みに合った香りが提案される仕組みを採用しています。
    診断を通じて、ユーザーが楽しみながら香水選びを体験できるサイトを実現しました。ECサイトの購入体験に診断コンテンツを組み込むことで、より個性に寄り添ったサービスを提供しています。

    mono株式会社 THE NOTE BAR ECサイト

2, コスメキッチン様の「つら童話診断」は、ユニークな切り口でユーザーの心の状態を診断し、それに合ったおすすめ商品を提案するコンテンツです。

診断の過程では、童話の世界観を生かした独特のデザイン等が用いられ、ユーザーが楽しみながら回答できる構成となっています。さらに、診断結果ページでは商品の提案が自然に組み込まれ、エンターテインメント性と購買促進を両立させています。

コスメキッチン「つら童話診断」

10: まとめ

診断コンテンツは、ユーザーの興味・関心を引き立てる効果的な手段です。その見せ方やロジックの構築方法にはさまざまな工夫が可能で、楽しさを提供しながら商材やサービスを直感的に理解してもらえる特徴があります。

「楽しみながら選べる」体験を提供できる診断コンテンツは、多くの業界や用途で活用されており、ユーザーとの接点を深めるための有効なツールです。

診断コンテンツの導入をお考えの方は、ぜひ一度こちらからお問い合わせください。貴社の目的やターゲットに最適なコンテンツをご提案し、制作をサポートいたします。

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