ホームページリニューアルはドメインやサーバーを変更する?そのまま?

ホームページをリニューアルする際に、「ドメインやサーバーを引き継ぐべきなのか分からない」「引き継ぎの具体的な方法が分からない」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、そうした方々に向けて、ホームページリニューアル時のドメイン引き継ぎ方法や注意点について分かりやすく解説しています。適切な対応を行うことで、リニューアル後のサイト運用においてもスムーズなスタートを切ることが可能になります。
さらに、ホームページリニューアル全般に関しては、以下の記事で詳しく解説しておりますので、ぜひあわせてご覧ください。
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目次
1:そもそもドメインとは?
2:ホームページリニューアルでドメインはそのまま引き継がれる?
3:ホームページリニューアルでドメインを継続するメリット
-コストの削減
-URLやメールアドレスが変わらない
-ホームページへのアクセスを維持
-ツールの設定を見直す必要が無い
-SEOの評価の維持が可能
4:ホームページリニューアルで同じドメインを引き継ぐ方法
-ドメインの管理会社を変更する時
-サーバーを移管する時
-サーバーとドメインの両方を移管する時
5:ホームページリニューアルでドメインを変更するケース
-新サイトの内容とドメインが合っていない場合
-ドメインの所有者が自社では無い場合
6:ホームページリニューアルでドメイン変更を行う場合の注意点
-SEO評価の維持
-リダイレクト設定
-ユーザーへの通知
7:まとめ
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1、そもそも、ドメインとは?
ドメインとは、インターネット上でウェブサイトやメールアドレスの所在地を特定するための識別子です。具体的には、「example.com」のような形式で表される文字列を指し、インターネット上の「住所」として機能します。ユーザーがウェブサイトを訪れる際には、この住所を使って目的のサイトにアクセスします。
技術的には、ドメイン名はIPアドレス(例えば「192.168.1.1」)という数値の組み合わせに対応しており、人間が覚えやすいように文字列で表現されています。この仕組みによって、簡単かつ直感的にインターネット上の情報にアクセスできるようになっています。
ドメイン名は例えば、以下のようなものがあります。
・google.com:検索エンジンGoogleの公式サイトのドメイン名
・yahoo.co.jp:ヤフー株式会社の日本向けサービスのドメイン名
2、ホームページリニューアルでドメインはそのまま引き継がれる?
ホームページのリニューアルを行う際、多くの場合、現在使用しているドメインをそのまま引き継ぐことが可能です。たとえサーバーを変更したり、ホームページの制作会社を変更したりする場合でも、基本的には既存のドメインを引き続き使用できます。
ただし、ドメイン引き継ぎにはいくつかの注意点が存在します。これらを適切に把握して対応することで、リニューアル後もスムーズに運用を続けることができます。詳細な注意点については、後のセクションで詳しくご説明します。
3、ホームページリニューアルでドメインを継続するメリット
これからは、ホームページリニューアルで同じドメインを使い続けるメリットを5つお伝えします。
・コストの削減
新しいドメインを取得する場合、登録費用や更新費用が発生するだけでなく、新ドメインを周知させるためのプロモーションコストも必要になります。しかし、現在のドメインをそのまま使用すれば、これらの追加費用を回避できます。
例えば、企業がドメインを変更する場合、新しいドメインを反映した名刺やパンフレット、看板などの印刷物を作り直さなければならず、これに伴うコストや労力が発生します。ドメインを変更せずに引き継ぐことで、これらの余分なコストと手間を大幅に削減することが可能です。
・URLやメールアドレスが変わらない
ドメインを変更せずに使用し続けることで、ウェブサイトのURLや企業のメールアドレスを維持でき、顧客やクライアントが混乱することを防げます。企業のURLやメールアドレスが既に多くの人に認知されている場合、これらが変更されると、顧客が新しい情報を把握できず、連絡が途絶えるなどの機会損失につながる可能性があります。
一度浸透したURLやメールアドレスを維持することで、顧客がこれまで通り安心して連絡を取れる環境を提供でき、企業の信頼性を保つことが可能です。このように、ドメインを変更しない選択は、顧客との円滑な関係を維持するための重要なポイントと言えます。
・ホームページへのアクセスを維持
ドメインを変更すると、既存のリンクやブックマークが無効になり、アクセス数が減少するリスクがあります。一方で、ドメインをそのまま維持することで、このリスクを回避できます。
例えば、現在のドメイン「example.com」が他のウェブサイトやブログ、SNSで多くシェアされている場合、そのドメインを引き続き使用すれば、これらのリンクがリニューアル後も有効のまま保たれます。結果として、既存の訪問経路が途絶えることなく、アクセス数の低下を防ぐことが可能です。
ドメインを変更せずに運用を続けることで、リニューアル後も安定した集客を維持できる点は、非常に大きなメリットと言えるでしょう。
・ツールの設定を見直す必要が無い
ウェブ解析ツールやマーケティングツールは、特定のドメインに基づいて設定されています。そのため、ドメインを変更すると、これらのツールの設定を見直さなければならず、手間が増えるだけでなく、設定ミスによる計測エラーが発生するリスクも高まります。
一方で、ドメインをそのままにしておけば、これらのツールを引き続き使用でき、設定を見直す必要がなくなります。これにより、リニューアル後も正確なデータ収集と解析が維持され、業務の効率化とリスク回避につながります。
このように、ドメインを変更しない選択は、ツールの設定に伴う不要な手間やリスクを避けるための有効な方法です。
・SEOの評価の維持が可能
検索エンジンは、ドメインの歴史や信頼性をSEO評価に組み込んでいます。そのため、ドメインを変更すると、これまで積み上げてきたSEO評価がリセットされるリスクがあります。一方で、同じドメインを使い続けることで、これまでの評価を引き継ぐことが可能です。
さらに、被リンク数もSEO評価に大きな影響を与えます。例えば、長年の運営によって「example.com」が多くの被リンクを獲得している場合、ドメインを変更しなければ、それらのリンク効果をそのまま維持することができます。これにより、検索順位を大きく下げることなく、リニューアル後も安定したSEO効果を期待できます。

4、ホームページリニューアルで同じドメインを引き継ぐ方法
ここからは、3つのケース別に、ホームページリニューアルでドメインをそのまま引き継ぐ方法についてお伝えします。
・ドメインの管理会社を変更する時
ドメイン管理の一元化や利便性向上を目的として、ドメイン管理会社を変更することがあります。その際も、適切な手順を踏めばドメインを引き継ぐことが可能です。
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ドメイン移管の手順
1, 旧管理会社で移管条件を確認する
・移管が可能かどうかを旧管理会社に確認します。
2, 旧管理会社に移管申請を行う
・ドメイン移管を正式に申請します。
3, 新管理会社に移管申請を行う
・新たに利用する管理会社にも移管申請を行います。
4, 移管費用を支払い、作業を実施
・新管理会社への費用を支払い、移管手続きを開始します。
5, 移管作業の完了
・手続きが完了し、新管理会社での管理が開始されます。
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また注意点として、ドメインには有効期限が設定されており、期限が切れている場合や有効期限が残り少ない場合は移管ができません。その場合は、まず期限を延長してから移管作業を進める必要があります。また、ドメイン移管を行う際には、AuthCode(オースコード)と呼ばれる認証コードが必要です。このコードは、不正な移管を防ぐために割り当てられているもので、新しい管理会社への移管申請時に必ず求められます。事前に旧管理会社から取得して準備しておきましょう。
・サーバーを移管する時
ホームページリニューアル時にサーバーを新しいものに変更するケースがあります。この場合、以下の手順で進めることが一般的です。
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サーバー移管の手順
1, 移管先のサーバーと契約する
・新たに利用するサーバーを選び、契約を行います。
2, ドメインの設定をする
・ドメインを新しいサーバーに紐づける設定を行います。
3, データを新サーバーに移行する
・現在のホームページデータを新しいサーバーに移します。
4, DNSの変更作業をする
・ドメインのDNS情報を新しいサーバーに向けて更新します。
5, 旧サーバーを解約する
・作業が完了した後、旧サーバーを解約します
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注意点として、旧サーバーの解約は、ホームページリニューアルから少し時間が経過してから行うようにしましょう。サーバー移行作業は、データの反映やDNSの切り替えが完了するまでに数日から数週間かかることがあります。もし早急に解約してしまうと、新サーバーへのデータ反映が完了しておらず、サイトに不具合が生じるリスクがあります。リスク回避のため、移行完了後もしばらく旧サーバーを保持するのが安全です。
・サーバーとドメインの両方を移管する時
サーバーとドメインの両方を移管する場合、それぞれの作業については前述の手順を参考にしていただけますが、大まかなポイントとしては、サーバー移管を先に行うのが一般的です。
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移管の流れのイメージ
1, 新サーバーを契約する
・移管先のサーバーと契約し、準備を整えます。
2, 新サーバー上でホームページ制作を行う
・現在のホームページデータを新しいサーバー上に移行、または新規制作を進めます。
3, ドメイン移管作業を実施する
・ドメインの移管を新しい管理会社で行います。
4, DNSの変更と旧サーバーの解約
・DNS設定を新サーバーに向けて変更し、最終確認後に旧サーバーを解約します
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サーバー移管を先に行う理由は、サーバーの移行に伴いドメインの設定変更が必要になるためです。仮にドメイン移管を先に行ってしまうと、旧ドメイン管理会社で設定変更を行う必要が生じ、移管作業が重複してしまうリスクがあります。そのため、効率よく作業を進めるためには、サーバー移管後にドメイン移管を行うのが理想的です。
5、ホームページリニューアルでドメインを変更するケース
前の章では、ドメインをそのまま引き継ぐ方法について解説しましたが、状況によってはドメインを変更する方が適切な場合もあります。以下では、ドメインを変更した方が良い主なケースをご紹介します。
・新サイトの内容とドメインが合っていない場合
ドメイン名がサイトの内容と一致していない場合、訪問者に内容が正確に伝わらず、ブランドイメージがブレてしまう可能性があります。このような場合、ドメイン名の変更を検討することで、サイトの信頼性や訪問者の理解度を向上させることができます。
ドメイン名はウェブサイトの「顔」ともいえる重要な要素であり、サイトの内容を的確に反映する名前であるべきです。内容とドメイン名が不一致だと、訪問者が混乱し、結果として信頼性を損なうリスクがあります。さらに、SEO(検索エンジン最適化)の観点からも、ドメイン名とサイト内容の一致はGoogleのガイドラインで推奨されているポイントです。
例えば、旧ドメイン名が「oldproduct.com」で旧製品ラインを中心としていた企業が、ホームページをリニューアルして新製品ラインを主軸に据える場合:
・旧ドメイン名: oldproduct.com(旧製品ラインを表す名前)
・新ドメイン名: newproduct.com(新製品ラインを明確に示す名前)
新しいドメイン名に変更することで、訪問者は新製品ラインの情報を直感的に理解しやすくなり、ブランドの信頼性が高まります。このように、内容と一致したドメイン名は、訪問者の満足度を向上させるだけでなく、検索エンジンでの評価向上にもつながります。
・ドメインの所有者が自社では無い場合
ホームページリニューアル時に、現在使用しているドメインが第三者の名義で登録されている場合、運営の安定性とセキュリティを確保するために、ドメインの変更を検討することが推奨されます。
ドメインが他者の管理下にあると、更新手続きや設定変更を迅速に行えないリスクがあります。その結果、ドメインの失効や設定不備といった問題が発生し、ウェブサイトの運営に大きな影響を与える可能性があります。
このようなリスクを回避するためには、現在のドメインを変更し、自社名義で新たに登録するのが理想的です。自社でドメインを管理することで、更新や設定変更をタイムリーに行え、運営の安定性が向上します。また、セキュリティ面でも第三者に依存しない体制を構築できるため、安心して運用を続けることができます。
6、ホームページリニューアルでドメイン変更を行う場合の注意点
最後に、ホームページリニューアルでドメイン変更を行う際の注意点をお伝えします。
・SEO評価の維持
Googleの検索アルゴリズムはドメインの信頼性や履歴を重視するため、ドメインを変更する際にSEO評価がリセットされるリスクがあります。この影響により、検索エンジンからのトラフィックが急減する可能性があるため、適切な対応が必要です。
1, Google Search Consoleで移転を通知する
ドメイン変更をGoogleに正しく認識させるため、Google Search Consoleを活用して移転を通知しましょう。この手続きにより、Googleが新しいドメインを適切にインデックスし、旧ドメインからのSEO評価を引き継ぐことが可能になります。
2, 被リンクの更新を依頼する
旧ドメインで獲得していた被リンクはSEO評価に大きく影響を与えます。可能な限り、外部サイトの管理者に連絡を取り、新しいドメインにリンクを更新するよう依頼しましょう。すべてのリンクを更新するのは難しいかもしれませんが、特に重要なリンクから優先的に対応することで、影響を最小限に抑えられます。
SEO評価の維持は、新しいドメインでのスムーズな運用とトラフィック確保の鍵となります。計画的に対応を進め、検索エンジンからの信頼性を損なわないようにしましょう。
・リダイレクト設定
リダイレクト設定を適切に行わない場合、ユーザーが404エラーページに遭遇し、サイトの信頼性が低下する可能性があります。また、SEO評価にも大きな影響を与えるため、この作業は非常に重要です。
リダイレクト設定を行うことで、旧ドメインのURLにアクセスしたユーザーやクローラーが、新ドメインの対応するページへ正確に誘導されます。これにより、ユーザー体験を損なわず、クローラーもスムーズに新しい情報を取得できます。特に301リダイレクト(恒久的な転送)は、検索エンジンに移行を通知し、旧ドメインのSEO評価を新ドメインに適切に引き継ぐために欠かせません。
リダイレクト設定は、ユーザーと検索エンジンの双方に新ドメインを正しく認識させるための必須作業です。これを怠ると、ユーザーの利便性だけでなく、検索エンジンからの評価も大きく損なう可能性があるため、十分に注意して対応しましょう。
・ユーザーへの通知
ドメイン変更をユーザーに事前に通知しない場合、混乱を招き、結果として企業の信頼性が低下するリスクがあります。そのため、ドメイン変更を実施する際には、ユーザーに対して十分な告知を行うことが不可欠です。
旧ドメインのホームページ上でのお知らせや、SNS、メルマガなどの各種チャネルを活用し、新しいドメインへの移行を事前に伝えましょう。また、ドメイン変更のタイミングや移行の理由を簡潔に説明することで、ユーザーの理解を得やすくなります。
さらに、社員のメール署名や名刺、パンフレットなど、外部に公開されている連絡先情報をすべて新しいドメインに更新することも重要です。これにより、すべてのコミュニケーションチャネルが統一され、スムーズに移行を進めることができます。
7, まとめ
ドメインを引き継ぐ場合も変更する場合も、それぞれにメリットとデメリットがあるため、自社の状況や目的に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。また、ドメインやサーバー関連の作業は、専門的な知識や多くの注意事項、事前準備が必要となるため、慎重に進める必要があります。
こうした作業を安全かつ効率的に進めるためには、外部の専門家に依頼することがおすすめです。弊社ブリッジコーポレーションでは、プロのネットワークエンジニアが社内に在籍しており、ドメインやサーバー関連の作業についても安心してお任せいただけます。
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