GA4（Google Analytics 4）とは？初期設定から導入方法まで徹底解説！

Googleアナリティクスは、Webサイトのアクセス解析に広く活用されています。2020年10月にリリースされた「Google アナリティクス4 プロパティ（GA4）」は、最新のバージョンであり、現在多くのWebサイトで利用されている「ユニバーサルアナリティクス（UA）」は、2023年7月1日以降、計測ができなくなるため、GA4への移行が必要となります。

しかし、移行を進めたくても、具体的な初期設定や導入方法がわからないと悩まれる方も多いのではないでしょうか。本記事では、GA4の特徴や導入方法、設定時に押さえておくべきポイントを詳しく解説し、初心者でも安心してGA4へ移行、初期設定まで完了できるよう後押しさせていただきます。

目次

1. GA4（Google Analytics 4）とは？
2. GA4とUA（ユニバーサルアナリティクス）の違い
3. GA4の注目すべき3つの機能
　-ウェブとアプリを統合して横断的に計測できる
　-Googleの機械学習を活用した予測機能
　-プライバシーを重視したデータ収集方式
4. GA4の導入ステップ
　-グローバルサイトタグ（gtag.js）を使った設定方法
　-Googleタグマネージャー（GTM）を活用した導入方法
5. GA4導入後に設定しておくべきポイント
6. まとめ

1. GA4（Google Analytics 4）とは？

GA4はGoogleアナリティクスの最新バージョンであり、従来のUAとは大きく異なる仕様が採用されています。Webとアプリの計測が統合され、Googleの機械学習モデルによる予測機能が搭載されるなど、分析の精度が向上しました。また、プライバシーを重視したデータ収集が可能となり、今後の規制強化にも対応しやすい仕組みが整っています。

2. GA4とUA（ユニバーサルアナリティクス）の違い

UAでは「ページ」や「セッション」を中心にデータを計測していましたが、GA4では「イベント」を軸にした計測方法に変更されました。ここでいう「イベント」とは、ページ閲覧、スクロール、クリックなど、ユーザーがサイト内で行う具体的なアクションを指します。GA4ではこのイベントベースの計測により、ユーザーがサイトをどのように利用しているかをより詳細に分析できるようになりました。 
この計測方法の変更に伴い、分析できるデータやレポート画面の構成も大きく変わっています。そのため、UAに慣れている方にとっては、これまで確認していた指標が異なる形で表示されるため、使い始めは戸惑うことがあるかもしれません。

3. GA4の注目すべき3つの機能

・ウェブとアプリを統合して横断的に計測できる

GA4ではWebサイトだけでなく、アプリの計測も可能になりました。これにより、Webサイトとアプリをまたいで利用するユーザーの行動を一貫したデータとして分析できるようになり、同じユーザーとして認識することが可能になりました。この機能は、アプリを中心にサービスを利用するケースが増えている現代のユーザー行動に適した形となっており、より精度の高いデータ分析を実現しています。

・Googleの機械学習を活用した予測機能

GA4では、計測されたイベントデータを基に、Googleの機械学習モデルを活用した「予測指標」が導入されています。これにより、ユーザーの将来的な行動を予測し、「購入の可能性」や「離脱の可能性」などの視点から分析が可能になります。たとえば、「収益予測」では、過去28日間にアクションを行ったユーザーが、今後28日間で達成するコンバージョンによる収益を予測することができます。
ただし、機械学習モデルによる予測機能の利用には一定の条件があり、GA4を導入しているすべてのサイトやアプリで必ずしも利用できるわけではありません。詳細については、アナリティクスヘルプの[GA4]予測指標をご確認ください。

・プライバシーを重視したデータ収集方式

GA4は、GDPR（EU一般データ保護規則）やCCPA（カリフォルニア州消費者プライバシー法）など、近年強化されているデータ規制に準拠したツールです。これは、EUやカリフォルニア州だけでなく、日本においてもプライバシー保護の必要性が高まっていることを受け、Cookieを用いたユーザーの行動追跡が制限される中で、GA4がその規制に対応する形で設計されているためです。
また、GA4ではデータ保持機能を利用し、保存されたイベント単位およびユーザー単位のデータが自動的に削除される期間を設定できます。特に、ユーザーデータ（コンバージョンを含む）の保持期間は最大14か月に固定されており、選択肢として2か月または14か月のいずれかを設定する仕様となっています。

4. GA4の導入ステップ

GA4を導入する手順について説明します。これから設定を進める方は、参考にしてください。ここでは、既にUA（ユニバーサルアナリティクス）を使用しているユーザーが、GA4を並行して導入するケースを想定して解説します。
GA4でデータを取得するには、アナリティクスの管理画面にある「プロパティ」内の「GA4設定アシスタント」から設定を行います。手順は比較的簡単で、ガイドに従い数回のクリックで設定を完了できます。
ただし、この設定が完了しただけではGA4でのデータ計測は開始されません。データを正しく取得するには、以下のいずれかの方法で計測用の「タグ」をサイト内に設置する必要があります。

・グローバルサイトタグ（gtag.js）を使った設定方法

サイト上で既にグローバルサイトタグ（gtag.js）を使用している場合は、この方法でGA4との接続を行います。まず、ユニバーサルアナリティクス（UA）の管理画面にアクセスし、「プロパティ」内の「トラッキング情報」→「トラッキングコード」の順に進みます。次に、「接続済みのサイトタグ」をクリックし、接続するタグのIDを入力する欄にG-で始まるGA4のタグIDを入力すれば、設定は完了です。

・Googleタグマネージャー（GTM）を活用した導入方法

Googleタグマネージャーを使用している場合は、タグマネージャーのコンテナ内に「GA4設定」用のタグが用意されているため、そこにG-で始まるIDを入力し、配信トリガーに「初期化」を設定すれば完了です。G-で始まるIDは、GA4の管理画面で「管理」→「データストリーム」に進むと確認できます。

5. GA4導入後に設定しておくべきポイント

上記では導入方法を解説しましたが、ここからはGA4でやっておきたい初期設定をご紹介します。

-GA4のデータ保持期間の設定

GA4のデフォルト設定ではデータ保持期間が「2か月」に設定されていますが、前年比の分析など長期間のデータを比較するために「14か月」へ変更することをおすすめします。設定の変更は、「データ設定」→「データ保持」から行うことが可能です。プルダウンメニューで「2か月」から「14か月」に変更し、保存を押せば設定完了となります。

-Googleシグナルの有効化

Googleシグナルを有効化すると、ユーザーがスマホからPCへ移動するなど、デバイスを跨いだ行動を計測できるようになります。設定は簡単で、以下の手順で有効化できます。 
1. 「設定アシスタント」メニューを開く 
 2. 「Googleシグナルを有効にする」をクリック 
 3. 「Googleシグナルを管理する」を選択 
この設定を行うことで、より正確なユーザー行動の分析が可能になります。

-サーチコンソール(searchconsole)との連携

UAと同様に、GA4でも Search Consoleと連携することで、検索キーワードなどのデータを分析できます。GoogleアカウントがGA4とSearch Consoleで同じであれば、簡単に設定が可能です。

1. Search Consoleの管理画面にアクセス 
2. 「設定」→「協力者」を選択 
3. GA4の「関連付ける」をクリック 
4. 紐づけるプロパティを選択し、「続行」をクリック  

設定が正しく完了すると、GA4の「集客サマリー」にて、検索クエリなどのデータを確認できるようになります。

-デバッグビューモード設定

GA4のリアルタイム分析機能は、ユーザーがサイト上でどのような操作をしているのかをリアルタイムで確認できる機能です。特に、イベントの設定やGA4のタグの変更を行った際に、変更が正しく反映されているかを即座に検証するのに役立ちます。

リアルタイム分析の設定方法（Googleタグマネージャー）

1. Googleタグマネージャーにアクセス
2. 「GA4設定」用のタグを開く
3. 「設定フィールド」に以下の項目を追加 
   – フィールド名 → `debug_mode` 
   – 値 → `true`
4. 設定を保存し、タグを公開

この設定を行うことで、GA4のリアルタイムレポート上で、現在発生しているイベントやユーザーの行動を即座に確認できるようになります。

-クロスドメイン設定

コーポレートサイトと製品サイトが別のドメインで運用されている場合、GA4で複数のドメインをまとめて分析するには、クロスドメイントラッキングの設定が必要です。この設定を行うことで、異なるドメイン間のユーザー行動を一元的に追跡できるようになります。

クロスドメイントラッキングの設定方法

1. GA4管理画面にアクセス
2. 「管理」→「データストリーム」を開く
3. 計測したい 対象のデータストリームを選択
4. 「タグ設定を行う」→「ドメインの設定」をクリック
5. 「条件を追加」をクリックし、以下の内容を入力
  – マッチタイプ →「含む」
  – ドメイン → 計測対象のドメイン

6. 設定を保存して完了

この設定を行うことで、異なるドメイン間のユーザー行動をセッションを途切れさせずに計測することが可能になります。

-IPアドレス設定

GA4で自社や制作会社からのアクセスを除外することで、正確なユーザーデータを取得することが可能になります。この設定には、IPアドレスの登録 と 除外フィルタの適用 の2つのステップが必要です。下記のように設定します。

①どのIPを除外するかを設定する

1. GA4管理画面にアクセス
2.「管理」→「データストリーム」を開く
3. 対象のデータストリーム を選択
4. 「タグ設定を行う」→「設定フィルタ」をクリック
5. 「内部トラフィックの定義」を開き、「作成」を選択
6. ルールを追加
・ルール名：分かりやすい名称を設定（例：社内アクセス除外）
・マッチタイプ：「IPアドレスが次と等しい」または「IPアドレスが次を含む」
・IPアドレス：除外対象のIPアドレスを入力
7. 「作成」をクリックして設定を保存

②除外設定を有効化する

1. 管理画面 の「データ設定」→「データフィルタ」を開く
2. 新しいフィルタを作成
・フィルタ名：例「内部トラフィック除外」
・フィルタの種類：「内部トラフィック」
・フィルタの状態：「有効」
3. 保存 して完了

この設定を行うことで、自社スタッフや制作会社などの特定のIPアドレスからのアクセスがレポートに含まれなくなり、正確なユーザーデータを取得 することができます。

6. まとめ

2023年7月から移行が進むGoogleアナリティクス4プロパティ（GA4）について紹介してきました。GA4は従来のUA（ユニバーサルアナリティクス）と比べ、レポート画面やデータ計測の概念が大きく変わり、取得できるデータも異なるため、使い勝手が大きく変化しています。
そのため、今後Googleアナリティクスを導入する際は、UAとGA4の両方を併用して設置することを推奨します。まずはUAでの分析に慣れた上でGA4を活用するのがスムーズな方法といえます。今後も順次GA4の使い方などを発信していく予定ですので、ぜひご確認ください！

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