
【Web担当者向け】Webサイトリニューアルを円滑に進めるための9つの秘訣

Webサイトを新しく作る、またはリニューアルするとき、どのWeb制作会社に依頼するか を決めるのは重要なポイントです。そこで、複数のWeb制作会社から提案を募る「コンペ」 を実施するか迷う人も多いのではないでしょうか?
コンペには良い点もあれば、注意すべき点もあります。事前にメリット・デメリットをしっかり理解しておかないと、思ったような結果が得られないことも…。
さらに、下記の記事では、コンペをスムーズに進めるための「RFP(提案依頼書)」 の 無料テンプレートもダウンロードいただけます。
ぜひご活用いただき、納得のいくWeb制作会社選びをしましょう。
1:コンペとは?Web制作における基本知識
2:Web制作会社をコンペで選定するメリット
-多様なアイデアを比較できる
-社内の意見統一がしやすくなる
3:Web制作会社のコンペにおけるデメリット
-時間と労力がかかる
-1社ごとのコミュニケーションが不足しがち
4:Web制作のコンペを成功させる進め方
-スケジュールの策定
-RFP(提案依頼書)の作成ポイント
-適切なWeb制作会社のピックアップ方法
-参加企業への説明・質問対応の進め方
-提案の評価・業者決定のポイント
5:Web制作のコンペで気をつけるべき点
-デザインや費用だけで業者を選ばない
-参加業者の数が多すぎると判断が難しくなる
-事前に社内で評価基準を決めておく重要性
6:Web制作会社の選定基準の決め方
7:Web制作会社の選定にコンペは本当に必要か?
8:まとめ
コンペとは、競争を意味する「コンペティション(competition)」の略称です。Web制作の分野では、発注者が複数のWeb制作会社に対して提案を募り、最適な制作会社を選定するためのプロセスを指します。
コンペを実施することで、複数の制作会社のアイデアや技術力を比較しながら、自社の要望に最も適したWeb制作会社を選ぶことが可能になります。そのため、Webサイトのリニューアルや新規制作を検討する際、よりよい提案を受けるための手段として活用されることが多いです。
ここでは、Web制作会社の選定でコンペを行うメリットをお伝えします。
コンペを実施することで、自社では考えつかなかった多様なアイデアを集めることが可能になります。Web制作会社ごとに得意分野や強みが異なるため、それぞれの視点が反映された提案を受けることが期待できます。その結果、新たな視点や斬新なアイデアに触れ、自社のサイトイメージや要望を再確認しながら、さらに最適な方向へと調整を加えることができる点が大きなメリットです。
例えば、社内で「デザインを重視すべきか」「機能性を優先すべきか」といった意見が分かれていた場合、コンペを通じて両者のバランスが取れた提案に出会い、全員が納得できる方向性が明確になることもあります。このように、第三者の視点を取り入れたい場合や、より多様な選択肢を求める場合には、コンペの開催が有効な手段となります。
コンペを行う際には、担当者だけでなく社内全体で共通の選定基準を持つことが重要です。これにより、発注後の社内からの不満を防ぎ、スムーズなプロジェクト進行につなげることができます。
コンペでは複数の提案が提示されるため、社内の関係者全員がプロジェクトの目標や要件を再確認できる機会が生まれます。その結果、各部門の認識のズレを減らし、全員が同じ方向性を理解したうえで意思決定ができるようになります。また、選定基準を事前に明確にしておくことで、提案内容を客観的に評価しやすくなるため、業者選定のプロセスの透明性が向上し、発注後のトラブルや意見の食い違いを防ぐことが可能です。
続いては、Web制作会社選定におけるコンペのデメリットをお伝えします。
Web制作のコンペを実施するには、相応の労力と時間を要するため、スケジュールに余裕を持って取り組むことが重要です。
コンペを成功させるためには、開催準備から評価・選定までの各ステップを丁寧に進める必要があります。発注側は、具体的な要件を明確にしたうえで、適切な制作会社を選定できる環境を整えることが求められます。そのため、十分な時間やリソースが確保できない場合は、コンペ方式ではなく、相見積もりや個別相談といった別の方法を検討するのも一つの選択肢です。
次の章では、Web制作のコンペをスムーズに進めるための具体的なステップについて詳しく解説していきます。
コンペを実施すると、複数の制作会社と同時にやり取りを行う必要があるため、1社あたりのコミュニケーション密度が低くなりがちです。
限られた時間の中で各社へ要件を伝え、提案内容を比較することになるため、細かい仕様の共有や意図のすり合わせが不十分になるケースも考えられます。特に、要望が具体的に伝わっていないと、提案の方向性がずれてしまい、結果として満足のいくWebサイトが完成しない可能性もあります。
この課題を回避するためには、コンペ開始前にRFP(提案依頼書)を作成し、要件を明確にしておくことや、各社と適切なヒアリングの機会を設けることが重要です。
ここからはWeb制作における具体的なコンペの進め方をお伝えします。
コンペをスムーズに進めるためには、事前に具体的なスケジュールを作成し、各ステップごとの進行管理を徹底することが重要です。
前章でも触れたように、コンペには一定の時間が必要となるため、プロジェクト全体のスケジュールを考慮しながら、事前準備・募集期間・提案の選定・最終決定までの流れを明確にしておく必要があります。
また、コンペに時間をかけすぎると、実際のWeb制作にかけられる時間が短くなる可能性があるため、スケジュールを守れるよう調整することも大切です。予め社内でスケジュールの共通認識を持ち、コンペ実施の各ステップで余裕をもった時間配分を設定することで、スムーズな進行が可能になります。
RFP(提案依頼書)は、コンペを円滑に進めるための基盤となる非常に重要なステップです。しっかりとしたRFPを作成することで、各制作会社が自社の要望を正確に理解し、それに沿った適切な提案を引き出すことができます。
・要望が明確になる
→どのようなWebサイトを求めているのか、具体的な要件を整理できます。
・提案のズレを防げる
→制作会社ごとの解釈の違いを減らし、より適した提案を受け取れます。
・比較しやすくなる
→各社からの提案内容を統一フォーマットで整理し、比較検討しやすくなります。
また、RFPの詳細な説明や、無料で使えるサンプルを以下の記事でご紹介しています。これからコンペを実施する方は、ぜひご活用ください。
コンペに参加するWeb制作会社を選定する際は、信頼性や技術力を重視することが重要です。信頼性を判断するためには、過去の制作実績を確認し、自社と同じ業界での実績が豊富な企業を選ぶことで、事業理解がスムーズに進み、コミュニケーションの円滑化につながります。また、技術力の面では、Webサイトの制作だけでなく、サーバーやドメイン管理といったインフラ周りの対応が可能か、さらにWebマーケティングの支援まで提供しているかなど、企業のサービス領域を確認することが重要です。
コンペを進める上で、次のステップとして参加企業にRFP(提案依頼書)を公開し、コンペの趣旨や要件について説明を行います。この段階では、RFPに基づいて自社の要望を明確に伝えることが重要であり、参加企業が正確な提案を行えるよう、必要な情報を十分に提供する必要があります。
また、企業ごとに異なる疑問点や確認事項があるため、質問を受け付けることで、より詳細かつ具体的な提案を得ることが可能になります。ただし、すべての参加企業に対して公平性と透明性を保つことが求められるため、説明や質問対応の際には情報の偏りがないよう十分に配慮しながら進めることが大切です。
最後に、コンペで集まった提案を評価し、最適なWeb制作会社を選定します。この段階で重要なのは、公平性を保ちながら、客観的な評価基準に基づいて選定を行うことです。事前に評価項目を設定し、それぞれの提案に対してスコアを付けることで、評価の数値化が可能になります。これにより、主観的な判断に左右されることなく、公正で合理的な選定ができるようになります。
また、評価基準が明確であれば、社内の関係者間で意見の統一がしやすくなり、選定後のトラブルも防ぎやすくなるため、事前の準備をしっかり行うことが大切です。
この章では、Web制作のコンペにおける注意点をお伝えします。これからコンペ実施を考えている方は、参考にしていただけると幸いです。
Web制作会社を選定する際、デザインや費用は可視化しやすいため、ついこの二つに注目してしまいがちです。しかし、デザインが優れていても機能面やサポート体制が不十分な場合、最終的にプロジェクトがうまくいかないリスクが高まります。Webサイトは見た目だけでなく、ユーザビリティやセキュリティ、運用のしやすさなど、多くの要素が重要となるため、総合的な視点で評価することが大切です。
また、費用を重視して選んだ場合も、初期コストは抑えられるかもしれませんが、機能追加や改修が頻繁に発生し、結果的に想定以上のコストがかかることもあります。特に、サポートが不十分な業者を選んでしまうと、後から必要な対応を追加せざるを得なくなり、当初の予算を大幅に超えてしまう可能性があるため、初期段階で慎重に検討することが重要です。
コンペに参加する業者が多すぎると、評価や選定にかかる時間と労力が膨大になり、プロジェクト全体の進行が遅れる可能性があります。
また、提案数が増えることで評価基準がブレやすくなり、結果的に公平な選定が難しくなるリスクもあります。多くの提案を精査しなければならない状況では、各業者の提案内容を十分に確認できず、評価が雑になってしまうことも考えられます。
さらに、参加業者が多いと1社あたりに割ける時間が限られ、細かな要望や期待をしっかり伝えられないまま進行してしまう可能性があります。その結果、制作会社側の理解が不十分なまま提案が行われ、期待していたものとは異なる内容になることもあるため、参加企業の数は適切に調整することが重要です。
事前に評価項目を明確に設定しておかないと、提案内容の判断が主観的になり、公平な選定が難しくなります。 評価基準がしっかりと決まっていれば、全ての提案を同じ指標で評価できるため、公平性を保つことができます。また、一貫性のある基準を持つことで、社内の関係者間での意見の食い違いを防ぎ、スムーズな合意形成が可能になります。
反対に、評価基準がないまま進めてしまうと、どの提案が最適か判断しにくく、選定に時間がかかることでプロジェクトの開始が遅れる原因になります。また、選定プロセスに透明性がないと、社内から不満が出る可能性もあるため、事前に納得のいく評価基準を設定しておくことが重要です。
Web制作会社の選定基準の決め方については、次の章で詳しく解説します。
これまでに述べたように、適切な基準を設定することで、プロジェクトでより良い結果を得られる可能性が高まります。ここからは、選定基準を効果的に決めるための方法をいくつかご紹介します。
自社のプロジェクトが他とどう違うのかを明確にすることで、最適な制作会社を選定しやすくなります。 例えば、自社のサービスが特定の業界に特化している場合、その業界の知識が豊富な制作会社を選ぶことで、事業理解の深さを活かした提案が期待できます。また、特定の機能やデザインにこだわりがある場合、それを実現できる技術力や実績を持つ制作会社を探すことが重要です。
さらに、プロジェクトの目標や課題を整理し、それを解決するために必要なスキルや経験を持つパートナーを選ぶことで、スムーズな進行と高品質な成果が得られる可能性が高まります。プロジェクト独自の特徴を理解し、それに合った制作会社を選ぶことが、成功の鍵となるでしょう。
プロジェクトを成功させるためには、必要なスキルや技術を明確にし、それを満たす制作会社を選定することが重要です。 具体的には、デザイン力や技術的な専門知識だけでなく、SEO対策やマーケティング戦略の理解度も評価基準に含めると良いでしょう。特に、ユーザー体験を向上させるUI/UXデザインのノウハウや、検索エンジンに最適化された構築が求められる場合、これらの要素を得意とする制作会社を選ぶことで、より効果的なサイトが実現できます。
また、実績を確認し、過去に似たようなプロジェクトを成功させた経験があるかどうかを見極めることもポイントです。自社の要件に合致するスキルを持つ制作会社を選定することで、スムーズな進行と高いクオリティの成果物が期待できます。
プロジェクトを円滑に進めるためには、制作会社とのコミュニケーションの質が非常に重要な要素となります。そのため、単に「話しやすいかどうか」だけではなく、要件の理解度や提案の的確さも含めて評価することが大切です。
例えば、こちらの要望に対して的確なフィードバックを返してくれるか、疑問点をしっかりと解消してくれるか、プロジェクトの進行に合わせた具体的な提案をしてくれるかなどを確認しましょう。また、メールやミーティングのレスポンスの速さや、やり取りの明確さも評価ポイントになります。
Webサイトの構築は、完成すれば終わりではなく、運用や保守、さらには将来のリニューアルまで続く長期的なプロジェクトとなります。そのため、単に短期的な成果だけを重視するのではなく、長期的に信頼できるパートナーとしての適性を考慮することが重要です。長期的な協力関係を築ける制作会社を選ぶことで、将来の安定性を確保し、サイトの成長とともに適切なサポートを受けながら運用を進めることができます。
Web制作会社の選定において、コンペは必須ではありませんが、プロジェクトの特性や目的によっては有効な手段となります。そのため、コンペを実施するかどうかは、プロジェクトの規模や要件、社内のリソースなどを考慮し、慎重に判断することが重要です。
コンペを行うことで、複数の制作会社の提案を比較し、より適したパートナーを選定できる一方で、時間や労力がかかるというデメリットもあります。そのため、コンペの実施が自社にとって本当に必要かどうかを判断するために、メリットとデメリットを正しく理解し、自社の状況と照らし合わせながら慎重に検討することが求められます。
Web制作の業者選定におけるコンペについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?コンペを成功させるには、事前の準備と計画に沿った進行が不可欠です。しかし、これを適切に進めるには、社内外の関係者との円滑なコミュニケーションや、Webに関する基礎知識が求められ、担当者だけで対応するのは難しいケースも多いかと思います。
そこで、ブリッジコーポレーションでは、RFP作成やコンペのサポートも承っております。Web制作のプロと共にコンペを進めることで、より質の高い提案を参加業者から引き出すことが可能となります。これからWeb制作をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。