リブランディングを成功させるには?進め方・注意点・成功のコツを解説

マーケティング

「売り上げを回復したい」「ターゲット層を広げたい」などの課題を抱えている企業にとって、リブランディングは強力な手段の一つです。しかし、リブランディングを成功に導くためには、どのように進めるべきかが分からないという方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、リブランディングを成功に導くための進め方、注意点、コツを成功事例を交えて詳しく解説します。これからリブランディングを検討されている方は、ぜひ参考にしていただければと思います。

また、リブランディングにおける重要な要素であるブランディングサイトについても詳しく解説した記事をご紹介していますので、こちらも併せてご覧ください。

ブランディングサイトを成功させるには?作り方・特徴・成功事例を徹底解説

目次

1:そもそもリブランディングとは?
2:リブランディングが必要な理由
 -市場やトレンドの変化に柔軟に対応するため
 -競合他社との差別化を図るため
 -事業内容の変更にスムーズに適応するため
3:リブランディングを行うメリット
 -ブランドイメージの向上とネガティブな印象の払拭
 -市場シェアの拡大
4:成功したリブランディング事例
5:リブランディングを進めるためのステップ
 -市場分析とターゲット再設定におけるリブランディングの役割
 -戦略立案と実行におけるリブランディングの重要性
6:リブランディングを成功に導くコツ
 -明確な目的とビジョンを設定する
 -長期的な視点で計画を立てる
 -組織全体の意識統一とエンゲージメントを高める
7:リブランディングに伴う注意点とリスク
8:まとめ/リブランディングの成功に向けて

1. そもそもリブランディングとは?

リブランディングとは、企業やブランドの価値やイメージを時代やニーズに合わせて再構築することです。ブランド再生やブランド再開発とも呼ばれます。これを行うことで、ブランドイメージを向上させ、最終的には売上や市場シェアの拡大を目指します。リブランディングは、ブランドが持つイメージやアイデンティティを刷新することが重要であり、単なるロゴやスローガンの変更にとどまらず、企業が提供する価値や文化の再定義が含まれます。
一方で、ブランディングは新たなブランドや製品の立ち上げ時に行われる初期段階のプロセスであり、リブランディングは既存ブランドを再設計するプロセスとなります。リブランディングによって、新しい消費者層をターゲットにしたり、競争力を高めたりすることが可能となります。

2. リブランディングが必要な理由

リブランディングは、企業が市場で競争し、成長し続けるために不可欠な戦略です。適切なリブランディングを実施することで、既存の顧客の忠誠心を強化し、さらに新たな顧客層を取り込むことが可能となります。また、ブランドの新たなイメージや価値を効果的に伝えることで、市場での地位をより強固にし、長期的な競争力を維持することができます。

-市場やトレンドの変化に柔軟に対応するため

リブランディングは、市場や消費者の嗜好、競争環境、さらには技術革新など、さまざまな変化に対応するための戦略です。消費者の行動や市場のトレンドは常に進化しているため、リブランディングを通じてブランドの価値や方向性を再定義することが求められます。これにより、新たな消費者層の獲得や既存顧客との関係強化を図るとともに、激しい競争において企業のポジションを守ることが可能になります。
また、リブランディングは外部の環境の変化に対応するだけでなく、企業内部でのビジョンや目標の変更にも適用できるため、柔軟で効果的な戦略です。

-競合他社との差別化を図るため

リブランディングは、競合他社との差別化を図り、消費者に自社の独自のブランド価値をしっかりと伝えるための強力な手段です。競争が激化している市場では、類似した製品やサービスが多く、消費者にとって選択肢が増えています。そのため、リブランディングを行うことで、ブランドは目立ちやすくなり、なぜ自社が選ばれるべきなのかという理由を強化できます。
差別化を通じて、リブランディングは消費者の心に響き、ブランドへの忠誠心を育む重要な要素となります。自社のユニークな物語や価値観を伝えることで、消費者は単なる製品やサービスではなく、深い「経験」を求めるようになります。その結果、ブランドは市場でより深く浸透し、強固な顧客基盤を構築することが可能になります。

-事業内容の変更にスムーズに適応するため

事業内容の変更に伴うリブランディングは、企業が新しいビジネスモデルや製品ラインに適応するために重要なステップです。この過程を通じて、企業は市場や顧客に変化を明確に伝え、さらなる信頼を築くことができます。リブランディングは、企業が新たな方向性を示し、顧客との絆を強化するだけでなく、長期的な成長と持続可能な成功を支える強固なブランドイメージを構築するために欠かせません。

3. リブランディングを行うメリット

ここからはリブランディングを行うメリットを解説していきます。

-ブランドイメージの向上とネガティブな印象の払拭

リブランディングを通じてブランドイメージを向上させ、ネガティブな印象を払拭することは、企業の評判を再構築し、市場での信頼を確立するために非常に効果的です。ブランドの評判は消費者の購買決定に大きく影響を与え、ポジティブなイメージは消費者を引き寄せます。一方で、ネガティブなイメージは消費者の信頼を失わせ、売上減少につながる可能性があります。そのため、リブランディングを通じてポジティブなイメージを強化し、ネガティブなイメージを払拭することで、顧客の信頼を再構築し、ブランドの競争力を回復させることが可能になります。

-市場シェアの拡大

リブランディングを実施することで、企業はマーケットシェアを拡大し、市場での自社の立ち位置を強化することができます。ブランドイメージを刷新し、新たなターゲット層にアプローチすることで、既存の市場での競争力を高めるだけでなく、新たな市場でも認知度を高めることが可能です。リブランディングは、企業の成長を促進し、ブランドの新しい価値を消費者に伝えるための強力な手段となります。

4.リブランディング成功事例

Apple

1997年、スティーブ・ジョブズがCEOに復帰後、アップルはブランドイメージを大きく刷新しました。彼のリーダーシップの下で、アップルはシンプルでミニマリストなデザイン哲学を採用し、iMac、iPod、iPhoneといった革新的な製品を発表しました。この変革により、アップルは創造性と革新の象徴としての地位を確立し、業界のリーダーとしての存在感を強めました。

マクドナルド

2000年代に入ると、マクドナルドは健康志向の高まりを受けて、メニューにサラダやフルーツなど健康的な選択肢を加えました。さらに、店舗のデザインを現代的で居心地の良い空間に変更し、ブランドの現代化を進めました。このリブランディング戦略により、健康を意識する消費者層にもアピールできるようになり、より幅広い顧客層をターゲットにすることができました。

スターバックス

スターバックスは2011年にロゴとブランドアイデンティティを刷新し、コーヒーに限らない幅広い飲食体験を提供するブランドへと進化しました。ロゴから「Starbucks Coffee」の文字を取り除き、シンプルでモダンなデザインに変更。これにより、スターバックスは単なるコーヒーショップではなく、顧客に多様な飲食体験やライフスタイルを提供するブランドとしてのポジショニングを強化しました。このリブランディングは、スターバックスが提供するサービスの広がりと新しい体験を反映させ、グローバル市場での認知度をさらに高める結果となりました。

Airbnb

2014年にエアビーアンドビーは新しいロゴ「Bélo」を発表し、ホームシェアリングの枠を超えて、包括的な旅行体験会社としてのブランドイメージを拡大しました。新しいロゴは、「人々を結びつける」というテーマを象徴しており、世界中の多様な地域と文化を結ぶことを目指したビジョンが反映されています。このリブランディングにより、エアビーアンドビーは単なる宿泊施設の提供者にとどまらず、旅行全体をサポートする新しい形を提案し、旅行業界に革新をもたらしました。

レゴ

レゴは2000年代に入ると、単なる玩具メーカーから教育と創造性を重視するブランドへと大きくシフトしました。映画やビデオゲームの展開、さらにはデジタルアプリの開発を通じて、レゴは製品ラインを拡充し、従来の子ども向けだけでなく、大人にもアピールするブランドへと成長しました。このリブランディングにより、レゴはただの遊具を超えて、創造力を刺激し、教育的価値も提供するブランドとして再認識され、幅広い世代に支持を受けることとなりました。

Google

2015年にアルファベット社として新たに設立されたことにより、グーグルは検索エンジンにとどまらず、多角的な技術企業としてのブランドイメージを拡張しました。シンプルでモダンなロゴとビジュアルアイデンティティを導入することで、グーグルの技術革新の幅広さを象徴し、AI、自動運転車、ヘルスケアなど、さまざまな先進的事業への進出を反映しました。このリブランディングにより、グーグルは単なるインターネット企業にとどまらず、未来のテクノロジーを牽引する企業としての地位を確立しました。

ユニクロ

ユニクロは1990年代後半から2000年代にかけて、単なる安価な衣料品店から「LifeWear」というコンセプトを掲げるグローバルなファッションブランドへと変貌を遂げました。高品質で機能的な衣類を提供し、シンプルで普遍的なデザインに焦点を当てることで、幅広い顧客層にアプローチできるようになりました。また、国際的なデザイナーとのコラボレーションや、海外市場への積極的な進出を通じて、ユニクロはブランドイメージを刷新し、世界的に認知度を高めました。このリブランディングにより、ユニクロは品質とデザイン性を兼ね備えたブランドとして、グローバル市場で確固たる地位を築きました。

資生堂

資生堂は、創業以来の伝統的なイメージを保持しつつ、グローバルな美容ブランドとしての地位を確立するためにリブランディングを実施しました。化粧品だけにとどまらず、ライフスタイル全体を包括する美の追求をブランドメッセージとして掲げ、国内外でのブランド認知度を高めました。また、パッケージデザインを一新し、デジタルマーケティングを強化することで、特に若い世代の顧客層をターゲットにし、彼らを引きつけることに成功しています。資生堂のリブランディングは、伝統と革新を融合させ、グローバル市場での競争力をさらに高めました。

アサヒビール

アサヒビールは1980年代後半に市場での競争力を強化し、シェアを拡大するためにリブランディングを実施しました。「スーパードライ」の発売により、クリアな味わいと独自のブランドイメージを確立し、新しい製品コンセプトを消費者に強く訴求しました。積極的なマーケティング戦略を展開し、特に若年層を中心に幅広い顧客層に受け入れられました。その結果、国内外での販売が大きく伸び、アサヒビールは世界的なビールブランドとしての地位を確立しました。

5. リブランディングを進めるためのステップ

ここからは、リブランディングの進め方について解説します。

市場分析とターゲット再設定におけるリブランディングの役割

まず、市場分析とターゲットの再設定を行うことがリブランディングの第一歩です。このステップは、ブランドが現在の市場状況や消費者のニーズを把握し、効果的な戦略を打ち出すための土台を作るために不可欠です。市場調査では、業界トレンドを把握し、競合分析や顧客行動の理解を深めます。この情報を基に、ブランドが最も効果的にアプローチできる顧客層を特定します。

戦略立案と実行におけるリブランディングの重要性

市場調査とターゲットの再設定が完了したら、次に戦略の立案と実行に移ります。この段階では、前のステップで得た情報をもとに、リブランディングの明確な目標を設定し、ブランドのミッション、ビジョン、バリューを再評価します。これにより、リブランディングの方向性が明確になり、どのような姿勢でブランドを再構築するかを決めることができます。この過程では、新しいロゴやスローガン、ビジュアルアイデンティティが考案されることもあります。

その後、戦略を実行に移す際には、全社的な取り組みが求められます。リブランディングの目的と計画は、社内で十分に共有され、全社員が一丸となって支えることが重要です。実行後は、結果を測定し、顧客や市場からのフィードバックを収集して、戦略の効果を評価します。この評価結果をもとに、必要に応じて戦略を微調整し、ブランドの目標に向けてさらに強化を図ります。

6. リブランディングを成功に導くコツ・進め方

リブランディングを行う時には以下の3つのことを意識しましょう。

リブランディングの明確な目的とビジョンを設定する

明確な目的とビジョンを設定しておくことは、リブランディングの方向性を定めるために不可欠です。これにより、全ての関係者が共通の目標に向かって一致団結し、戦略を一貫して実行することが可能になります。

長期的な視点でリブランディングの計画を立てる

リブランディングでは、短期的な成果だけでなく、長期的な成果を見据えた計画を立てることが非常に重要です。市場の変動や消費者行動のトレンドを考慮することで、将来のリスクにも柔軟に対応できるようになります。また、長期的な視点で戦略を構築することによって、ブランドは継続的に成長し、変化に強い企業としての地位を確立できるでしょう。

組織全体の意識統一とエンゲージメントを高める

リブランディングにおいて、組織全体の意識統一とエンゲージメントの向上は、新しいブランドイメージを社内外に効果的に伝えるための重要な要素です。全社員が共通の理解と目標を持つことで、リブランディングのメッセージや活動が一貫し、企業のブランドが強化されます。この統一感があることで、ブランドの価値が社内外で確立され、持続可能な成功へと繋がります。

7. リブランディングに伴う注意点とリスク

リブランディングには顧客の混乱やブランドアイデンティティの損失など、さまざまなリスクが伴います。こうしたリスクを回避するためには、市場調査を徹底して行い、顧客とのコミュニケーションを密に保つことが重要です。また、従業員をリブランディングプロセスに積極的に関与させることで、社内の意識統一が図られ、外部へのメッセージが一貫したものとなります。

8. まとめ/リブランディングの成功に向けて

リブランディングには事前準備と社内の横断的な協力が不可欠です。そのため、担当者だけで進めるのは非常に難しく、専門家にサポートを依頼することで、スムーズにプロジェクトを進行させることができます。
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また、以下の記事ではリブランディングを行う際に非常に重要な要素である、ブランディングサイトの作成について詳しく解説していますので、こちらもぜひご確認ください。

ブランディングサイトを成功させるには?作り方・特徴・成功事例を徹底解説

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