【2025年版】PHPバージョンアップ完全ガイド

システム

「今のままでも動いてるし…」

「コストもかかるし、わざわざバージョンアップする必要ある?」

そう考える企業は少なくありません。

しかし、2025年6月現在、PHP 8.0以前はすでにサポートが終了。セキュリティ更新が受けられないため、システムがサイバー攻撃の標的になる危険性が高まっています

実際に、古いPHP環境が原因で情報漏えいや改ざん被害に遭った企業も…。
一方、バージョンアップを行った企業では、処理速度の向上やSEO改善の成果も報告されています。

この記事では、PHPのバージョンアップがなぜ今すぐ必要なのか、安全かつ効率的に進める方法まで、わかりやすく解説します。
リスクを回避し、サイトパフォーマンスを最大化するための第一歩を踏み出しましょう。

目次

  1. PHPとバージョンアップの基礎知識
  2. バージョンアップをせずに古いPHPを使い続ける4つのリスクとは?
  3. 【2025年最新】あなたのPHPは安全?バージョン別チェックリスト
  4. PHPバージョンアップ前にやっておくべき3つの準備
  5. 安全に進めるためのPHPバージョンアップ手順
  6. PHPバージョンアップ時によくあるトラブルと対処法
  7. PHPバージョンアップ後の確認作業チェックリスト
  8. まとめ:PHPバージョンアップは「保険」であり、将来への投資

PHPとバージョンアップの基礎知識

◆PHPとは?

PHPは、Webサイトの「裏側」で動いているプログラミング言語のひとつです。
例えるなら、レストランの厨房。お客さん(ユーザー)からの注文(操作)に応じて、素早く正確に料理(ページやデータ)を用意する役割を担っています。

もう少し技術的に言えば、動的なWebページを生成するためのサーバーサイド言語。ユーザーの操作や入力に応じて、リアルタイムでWebページの内容を変化させることができます。


◆PHPでできること

PHPは、多くのWebサイトやシステムで次のような用途に活用されています。

  • フォームの作成・送信処理
     例:お問い合わせフォームや会員登録フォームのデータ処理、データベース連携など
  • Webページの動的表示
     例:ログイン状態に応じたメニュー表示、最新記事一覧などの動的コンテンツの生成
  • データベースとの連携
     例:記事・商品データの取得、ユーザー情報の登録・更新 など

◆PHPの「バージョン」とは?

PHPには「8.3.12」のようなバージョン番号があり、スマートフォンのOSと同じように、定期的に新しいバージョンがリリースされています。

このバージョン管理には重要な意味があり、
古いバージョンを使い続けることは、セキュリティリスクの原因にもなり得ます

自社のWebサイトやシステムでどのPHPバージョンが使われているのか、定期的な確認と対応が不可欠です。


バージョンアップをせずに古いPHPを使い続ける4つのリスクとは?

「今は問題なく動いてるし…」と安心していませんか?
しかし、古いPHPを使い続けることには重大なリスクが潜んでいます。知らず知らずのうちに、あなたのWebサイトや顧客データが危険にさらされているかもしれません。

ここでは、実際に起こり得る4つの代表的なリスクを解説します。


1. サイバー攻撃の標的にされやすくなる

古いPHP環境は、施錠されていない家と同じ。脆弱性が放置されたままなので、ハッカーにとっては格好の標的です。

実際に起こる攻撃例:

  • 顧客情報の漏洩(名前・住所・電話番号・メールなど)
  • サイトの改ざん(偽情報や不正リンクの埋め込み)
  • サイトの乗っ取り(管理権限の掌握)

2024年にも実際に発生した被害:

  • ECサイトからの顧客情報大量漏洩
  • 企業サイトにウイルスが埋め込まれた事例
  • 管理者用ログインページが偽物とすり替えられ、パスワードが盗まれたケース

2. サイト表示の遅延でユーザーが離脱

古いバージョンのPHPは処理速度が遅く、サイト全体の表示速度にも影響を及ぼします。

パフォーマンス低下が招く影響:

  • Google検索での順位低下(表示速度はSEO評価に影響)
  • Amazonの調査では、0.1秒の遅延で売上が1%減少
  • 表示に3秒以上かかると、53%のユーザーが離脱すると言われています

つまり、バージョンアップを怠ることで売上や機会損失につながる可能性があるのです。


3. PHPの技術サポートが終了している

古いPHPバージョンは、すでに公式のサポート対象外になっていることが多く、以下のような不都合が発生します。

  • 最新のWebアプリや機能が導入できない
  • セキュリティパッチが提供されないためリスクが増大
  • トラブル発生時に技術的な支援を受けられない

2025年6月時点では、PHP 8.0以前のサポートは終了済みです。


4. システムの突然停止・再構築のリスク

最も怖いのは、システムが突然動かなくなること。そのときには手遅れかもしれません。

想定されるトラブル:

  • 古すぎて他社が保守対応できない
  • 機能追加が不可能で、成長の足かせに
  • 最悪の場合、システム全体の作り直しが必要になり、高額なコストが発生

 

古いPHPを使い続けると、
攻撃リスクの増加・パフォーマンス悪化・保守不能・コスト増加と、まさに悪循環。

逆に言えば、早めのバージョンアップこそがコスト削減・安心運用・SEO強化のカギです。
“今は大丈夫”ではなく、“今のうちに対応する”が重要です。


【2025年最新】あなたのPHPは安全?バージョン別チェックリスト

PHPの安全性は「使っているバージョン」によって大きく左右されます。
特に、サポートが終了したバージョンを使い続けることは、セキュリティ上の大きなリスクになります。

以下に、2025年6月時点でのPHPバージョン別の安全性と対応方針をまとめました。

PHPバージョン状況危険度対応の目安
PHP 8.4最新版(開発版含む)安全そのまま使用OK
PHP 8.3現在の安定バージョン安全2026年末まで安心
PHP 8.2まだ利用可能(安定版)注意徐々にアップデートを検討
PHP 8.1今年でセキュリティサポート終了予定注意できるだけ早めの対応を推奨

 

まずは「今のPHPバージョン」を確認!

「自社サイトが今どのバージョンを使っているのか分からない…」という方も多いかもしれません。
でも、知らずに放置するのが一番危険です。

サーバーの管理画面開発会社への確認などで、
今すぐPHPバージョンをチェックしましょう!

ポイントまとめ

  • 8.3以上なら安心、8.2は様子を見つつ、8.1以下は要注意!
  • 放置はトラブルのもと。“今のうちに”の対応がベストです。

PHPバージョンアップ前にやっておくべき3つの準備

PHPのバージョンアップは、システムに手を加える「外科手術」のようなもの。
トラブルを未然に防ぎ、スムーズな移行を実現するためには、事前準備がとても重要です。
ここでは、バージョンアップ前に必ずやっておくべき3つのステップをわかりやすく解説します。


1. 現状把握(目安時間:約30分)

まずは、現在のシステム環境を正確に把握しましょう。
ここを曖昧にしたまま進めると、後で不具合が出たときに原因の特定が難しくなります。

チェックする項目

  • 現在のPHPバージョン
  • 使用中のCMS(例:WordPress、Movable Typeなど)
  • 重要機能の一覧(お問い合わせフォーム、カート機能など)
  • 連絡体制の確認
     ・制作会社の緊急連絡先
     ・サーバー会社のサポート窓口
     ・契約内容やサポート範囲の確認

2. バックアップの作成(目安時間:約1時間〜)

いざというときに元に戻せるように、バックアップは必須です。
「何も起こらないだろう」ではなく、「万が一に備える」のがプロの対応です。

バックアップしておくべきもの

  • サイトファイル一式(HTML・画像・CSS・PHPプログラムなど)
  • データベース(顧客情報、商品情報、投稿記事など)
  • 設定ファイル(.htaccess、php.iniなどのサーバー設定関連)

クラウド保存や外部メディアへの二重保存もおすすめです。


3. テスト環境の準備

テスト環境とは、本番のサイトとは切り離された安全な検証用スペースのことです。
ここで事前に動作チェックを行うことで、バージョンアップによる不具合を本番公開前に発見・修正できます。

テスト環境の作り方

  • 制作会社に依頼する
  • レンタルサーバーのテスト機能を使う
  • ローカル環境(PC上)で検証を行う

 

PHPのバージョンアップは慎重に行うべき作業です。
今回ご紹介した「現状把握 → バックアップ → テスト環境の準備」という3ステップを押さえておけば、トラブルを最小限に抑え、安心してアップデートに臨むことができます


安全に進めるためのPHPバージョンアップ手順

PHPのバージョンアップは、手順を守って行えば安全に実施できます。
ここでは、リスクを最小限に抑えるための5つのステップを順を追って解説します。


Step 1:PHPバージョンアップによる影響範囲の確認

まずは、現在のシステムでPHPの変更によって影響を受ける可能性のある機能を洗い出します。
見落としがあると、公開後に重大な不具合が発生する可能性があるため、丁寧にチェックしましょう。

確認すべき主な機能:

  • トップページの表示
  • お問い合わせフォーム
  • 商品検索・購入機能
  • ユーザーログイン機能
  • 管理者画面の操作性

Step 2:テスト環境でアップデートを実施

本番環境ではなく、テスト環境での事前検証が非常に重要です。
事前に問題を発見・対処することで、公開後のトラブルを防げます。

テスト時のチェックポイント:

  • ページ表示時にエラーメッセージが出ていないか
  • 各機能が正しく動作しているか
  • ページの表示速度に問題はないか
  • スマートフォンなどモバイル端末でも正常に動くか

Step 3:不具合の修正(必要に応じて)

テストの段階で不具合が見つかった場合は、ここで修正対応を行います

よくあるトラブルと対応方法:

  • エラーメッセージが出る → PHPコードや関数の修正
  • デザイン崩れが起きる → CSSやテンプレートの調整
  • 機能が動かない → プラグインやライブラリの更新・差し替え

Step 4:本番環境でのPHPバージョンアップ実施

本番環境での作業は、アクセスの少ない時間帯に行うのが基本です。
また、ユーザーへの影響を最小限に抑えるために、メンテナンス告知の掲載も忘れずに行いましょう。

実施に適したタイミング:

  • 平日の営業時間外(深夜・早朝など)
  • 週末のアクセスが少ない時間帯
  • イベントやキャンペーンの前後は避ける

本番作業の流れ:

  1. メンテナンス中であることを告知
  2. 最新のバックアップを取得
  3. PHPのバージョンを切り替える
  4. 各ページ・機能の動作確認
  5. メンテナンス告知の解除

Step 5:動作確認と最適化

バージョンアップが完了した後は、改めて本番環境での動作確認を行います。
一見正常に見えても、一部機能に不具合が残っているケースがあるため、慎重なチェックが重要です。

確認すべきポイント:

  • 主要ページ(トップ、サービス紹介、商品ページなど)の表示確認
  • お問い合わせ・申込フォームの送信テスト
  • 商品や記事の検索機能のテスト
  • 管理画面での操作(投稿、編集、設定変更など)

PHPのバージョンアップは、正しい手順で進めれば決して難しい作業ではありません。
テスト環境での事前確認と、万が一に備えたバックアップが成功のカギとなります。
安全・確実にアップデートを行い、より速く・安全で・信頼されるWebサイトを実現しましょう。



PHPバージョンアップ時によくあるトラブルと対処法

PHPのバージョンアップは慎重に行っても、思わぬトラブルが発生することがあります
ここでは、よくある3つのケースとその原因・解決策をまとめました。


トラブル1:Fatal Errorの表示

症状

サイトに「Fatal error: Call to undefined function…」というエラーメッセージが表示され、ページが正常に表示されない。

主な原因

旧バージョンでは使えていた関数や構文が、新しいPHPでは非対応になっていることが原因です。

解決策

  • プログラムの該当箇所をPHP最新版に対応するよう修正する必要があります。
  • 自社で対応できない場合は、制作会社へ修正依頼を行いましょう。

トラブル2:デザインが崩れる

症状

レイアウトのズレ、文字が重なる、画像が表示されないなど、見た目に不具合が発生。

主な原因

  • CSSの記述方法JavaScriptの動作仕様が、新しいPHP環境と一部合わないことがあります。
  • 特にテーマやプラグインとの互換性の問題が原因になることが多いです。

解決策

  • ブラウザのキャッシュをクリアして、最新の状態を確認
  • テーマやプラグインを最新版に更新(ただし、更新によって逆に崩れるケースもあるため慎重に)
  • 解決しない場合は、制作会社に修正を依頼しましょう

トラブル3:サイトがまったく表示されない

症状

「Internal Server Error」や真っ白な画面が表示され、何も操作できなくなる。

緊急対処法

  • PHPのバージョンを元に戻す(サーバーの管理画面から簡単に切り替えできる場合が多い)
  • 直前のバックアップからサイトを復元
  • 解決が難しい場合は、制作会社にすぐ連絡し、対応を依頼

PHPのバージョンアップでは、コード・デザイン・機能すべてに影響が及ぶ可能性があります。
万が一のトラブルに備えて、バックアップと緊急連絡体制を整えておくことが重要です。

正しい対応さえ行えば、問題のほとんどはスムーズに解決可能です。慌てず、冷静に対処していきましょう。


PHPバージョンアップ後の確認作業チェックリスト

バージョンアップが完了したら、そのまま放置せずに必ず動作確認を行いましょう。
サイトが正常に動いているかをチェックすることで、思わぬトラブルや不具合を未然に防ぐことができます。


1. 基本動作の確認

まずは、サイト全体が正しく表示されているかを確認します。
複数のデバイスやページで表示をチェックしましょう。

確認項目:

  • トップページが正しく表示されているか
  • 会社概要・サービス紹介など主要ページの表示
  • スマートフォンやタブレットでの表示崩れがないか

2. 各種機能の確認

表示は正常でも、フォームや機能の一部が動かないというケースは少なくありません。
必ず操作テストを行い、ユーザー目線で動作確認をしましょう。

チェックすべき機能:

  • お問い合わせフォームの送信テスト
  • 商品や記事などの検索機能
  • ユーザーログイン・会員機能
  • ファイルのダウンロードリンク(資料請求など)

3. パフォーマンスの改善状況を確認

PHPを最新版にアップデートすることで、処理速度や応答性の向上が期待できます。
実際にパフォーマンスが改善されているか、無料ツールを使って数値で確認しましょう。

使用できる無料ツール:

  • Google PageSpeed Insights
     → 表示速度や改善点の詳細レポートを表示
  • GTmetrix
     → ページの読み込み速度やボトルネックを診断

改善が見込めるポイント:

  • ページの読み込み速度(表示開始までの時間)
  • サーバーからの応答速度(バックエンド処理)
  • パフォーマンス向上によるSEO評価の向上

PHPバージョンアップは、ただの技術的な更新ではなく、サイト全体の快適性や成果に直結する重要な作業です。
更新後の確認を丁寧に行うことで、安心して次の施策に取り組むことができます。

「表示されている=問題ない」ではありません。
すべての機能が正常に動作することを必ず確認してから公開完了としましょう。


まとめ:PHPバージョンアップは「保険」であり、将来への投資

これまでお伝えしてきた通り、古いPHPを使い続けることは、壊れた鍵のまま家に住み続けるようなリスクを伴います。
そしてそれは、火災保険に入らずに暮らすような無防備な状態とも言えるのです。


古いPHPの放置によるリスクは想像以上に深刻

  • 顧客情報の漏洩による損害:数百万円〜数千万円規模の損失
  • システムダウンによる営業停止:1日あたり数十万円の売上機会を喪失
  • 企業イメージの悪化・信頼の喪失:回復までに長期を要することも

PHPバージョンアップの費用感(目安)

  • 小規模サイト:15万〜30万円程度
  • 中規模サイト:30万〜80万円程度
  • 大規模・複雑なシステム:80万円〜

※規模・構成・使用中のCMSや外部連携などによって前後します。

大切なのは、「高いからやらない」ではなく、「やらなかった場合の損失」を考えることです。


緊急度セルフチェック

以下の項目に1つでも該当する場合は、早急な対応が必要です。

  • PHP 8.1以前のバージョンを使っている
  • 最後のバージョンアップから2年以上が経過
  • 表示上のエラーや不具合が時々起きている
  • 制作会社と連絡が取れない・体制が不明瞭
  • 顧客データや個人情報を扱っている

今すぐできる2つのアクション

1. 現状を把握する

  • 現在使用中のPHPバージョンを確認
  • 制作会社・サーバー会社の連絡先を整理しておく

2. 専門家に相談する

以下のような質問をプロに投げかけてみましょう。

  • 「現在のPHPバージョンはまだ安全ですか?」
  • 「バージョンアップにかかる費用と期間を教えてください」
  • 「作業中、サイトは停止しますか?対策はありますか?」

最後に

「今のところ問題は出ていないから大丈夫」
「できれば予算はかけたくない」

その気持ちはもっともです。ですが、問題は“突然”やってきます
そして一度トラブルが発生すると、回復には多くの時間と費用、そして信頼の損失が伴います。

PHPバージョンアップは「コスト」ではありません。
**大切なお客様と事業を守るための“予防投資”**です。

将来のトラブルを防ぐために、そしてより安心・快適なWebサイトを保つために、
今この瞬間から、小さな一歩を踏み出していきましょう。


無料相談のご案内

株式会社ブリッジコーポレーションは無料でお客様のお悩みにお答えしております。

PHPバージョンアップでお困りの方は、お気軽にご相談ください。現状診断から最適なアップデート方法まで、専門家がサポートいたします。

ご希望の方はコチラから関連資料をダウンロードください!

また、無料でお問い合わせも受け付けておりますので気軽にご応募ください。

相談は完全無料です。まずは現状確認から始めましょう。

  • x(旧Twitter)
  • Facebook
  • note